【プロジェクトマネジメント】クリティカルチェーン法(CCM)計算方法

システム開発

はじめに

ここでは、プロジェクトマネジメントにて用いられる、”クリティカルチェーン法”(CCM: Critical Chain Method)の計算方法について説明を行います。

 

クリティカルチェーン法とは?

クリティカルチェーン法とは、クリティカルパスメソッド(CPM)では、考慮されていなかった「資源の制約(人員や機材など)」を加味したスケジュール作成をするものとなります。

クリティカルパスメソッドについては、以下で説明しておりますので、ご参照ください。


クリティカルチェーン法では、個々の作業にバッファ(安全余裕時間)をもたせず、クリティカルチェーンの最後に集めてプロジェクト全体で管理します。(=プロジェクトバッファ)。遅延が発生した場合はプロジェクトバッファからその分を差し引いていきます。プロジェクトマネージャは、プロジェクトバッファがゼロにならないように注意しさえすればプロジェクトの納期を守れるということになります。

 

計算例

プロジェクトバッファ

仮に上記のような線表が存在したとします。上記のクリティカルパスは計算すれば、
D→E→F→G→H:10日 であるとわかります。

この各工程において実は以下のようなバッファが積まれていたとします。

この場合に、各工程におけるバッファをすべて吐き出させ、最後にプロジェクトバッファとしてまとめる、ということを行います。まずはバッファを吐き出させます。

すると、上記のクリティカルパスは D→E→F→G→H:8日 に変化したとわかります。
するとクリティカルパスから2日分余裕ができたので、プロジェクトバッファとして以下のように設定できます。

合流バッファ

合流する工程である、”H”の直前までの経路を見てみましょう。

A→B→C  :4日
D→E→F→G :7日

となります。

つまり、A~Cの工程においては、合流までに3日間の猶予があることがわかります。これを先ほどと同様に合流バッファとして後ろに設定しましょう。

これで、プロジェクトバッファと合流バッファをそれぞれ設定することができました。(合流バッファはフィーディングバッファとも言います)

 

クリティカルチェーン法のメリット

管理が楽になる

クリティカルチェーン法のメリットとしては、PMとしては各作業における遅延に敏感になる必要がなく、プロジェクトバッファ・合流バッファを超過していないか?(超過しそうにないか?)のみをウォッチすればよいということです。一つ一つの作業をそれほど注視せず全体を管理できるのは、忙しいPMにとっては非常にありがたいものです。

サボりを防げる

人は仕事において、常に許される時間まではサボるものです。

クリティカルチェーンにおいては、各作業のバッファがないため、”余裕があるから後回しにしよう”を防ぐことができます。(あなたが10日かかる仕事を5日で終わらせたとして、すぐに終わったと報告しますか?)

クリティカルチェーン法のデメリット

バッファを吐き出させる必要がある

クリティカルチェーン法では全員がバッファを吐き出さないと成立しません。そのため、プロジェクトメンバー全員が意識を高く持って目標志向でプロジェクトに取り組む必要があります。相互監視ではなく、各自が真摯にギリギリの工期で説明できるように心理的安全性が高い環境を整える必要があります。

メンバーへの動機付けのポイントとして以下記事を記載してます。

同様に心理的安全性を下げるNG事例も以下に記載しております。

  

おわりに

本記事ではプロジェクト管理手法の1つである、クリティカルチェーン法について説明をしました。クリティカルチェーン法はチームレベルが高くないと成立しませんが、各段に生産性を上げる事ができる手法です。ぜひ積極的に取り入れてみてください。

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