【心拍変動解析】 LH HF 計算方法(自律神経機能)

その他

ここでは、自律神経機能の指標の一つであるLFとHFの計算方法について記載を行います。

単語の説明

LF(低周波成分)

LFとは、0.004 ~ 0.15Hzの周波数帯のパワースペクトルです。

LF値が高いほど、交感神経副交感神経が強いことを示します。

HF(高周波成分)

HFとは、0.15 ~ 0.4Hzの周波数帯のパワースペクトルです。

HF値が高いほど、交感神経が強いことを示します。

LF/HF比

LF/HFは文字通り、LF値からHFを除算したものです。

LF/HFが

小さいほど副交感神経優位である。

大きいほど交感神経優位である。

  ※LF(副交感神経 + 交感神経) / HF (副交感神経)となるため

TP (トータルパワー)

TPとは、0~0.4Hzの周波数帯のパワースペクトルです。

TP値が高いほど、自律神経が活発(元気な状態)であることを示します。

TPを計算する際において、0.04Hz以下は無視する(TP= LF + HF)場合もある。

計算方法

計算方法としては以下ステップとなります。

1.心拍を取得する。(数分以上取得することが好ましい)

2.心拍から、RR間隔を取得する。

3.RR間隔を強さに変換する。

4.位置を時間に合うようにずらす。

5.RR値の平均でデータを取得できるように、補間処理を行う。

6.フーリエ変換を行う。

7.LF HF の周波数帯を抜き出す。

※”心拍変動と自律神経機能(早野ら)”を参考にさせていただいております。

特に3~5がわかりにくい所だと思います。

①心拍を取得する。

まずは心拍を取得しましょう。データが取れれば何でもよいです。

Fitbitがおすすめですが、なんでもOKです。

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②心拍から、RR間隔を取得する。

取得した心拍からRR間隔を取得しましょう。

心拍の一番強くたっているところのPeak to Peakを取得していきます。

やり方は色々ありますが、全データを眺めて閾値を作り、その閾値を超えている点群から最も大きい値の時間位置を取るのが簡単かと思います。

③RR間隔を強さに変換する。

取得したRR間隔を高さ方向にするように一定間隔で並べます。

RRの間隔が長いほど、高くなる、という感じです。

④位置を時間に合うようにずらす。

次に各点の距離をRR間隔に合うように配置します。

例えば(RR1の高さの次)RR2は、RR1秒後に配置させるような感じです。

RR3は同じく、RR2秒後に配置させていきます。

これは、自律神経活動量というものが、心拍変動から○○秒後にどれだけのパワーがあるものが発生したか?という考えによるためです。

⑤RR値の平均でデータを取得できるように、補間処理を行う。

次に点の位置を全データ区間のRR値の平均値となるように再プロットを行います。

まず、元のデータ状態で、3次スプライン補間(Pythonの場合 [interp1d(x, y, kind=’cubic’)])を実施します。

 ※必ず3次スプライン補間で実施します。誤った補間法を用いると、うまく結果が出ません。

その後、X軸座標をRR値の平均値に置き換えます。
※仮に RR1 = 2sec, RR2 = 3sec, RR3 = 1sec であれば、RRAvg = 2secとします。

⑥フーリエ変換を行う。

⑤で取得したデータをフーリエ変換すると、上記の図のような結果が出ます。

⑦LF HF の周波数帯を抜き出す。

フーリエ変換の結果から、求めるデータ群のパワースペクトルの積分値を取得します。

LF・HFだけでなく、VLF(超低周波成分)なども同様に必要な帯域幅のデータを取得することで計算できます。

まとめ

本記事では、自律神経機能を表す指標となる、LF・HFの求め方について記載を行いました。

スマートウォッチで簡単に計測することができますので、ぜひ一度試してみてください!

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