【プロジェクトマネジメント】コンティンジェンシー予備とマネジメント予備

システム開発

はじめに

本記事ではプロジェクトが確保すべき予算として重要な考えである、”コンティンジェンシー予備”と”マネジメント予備”について記載をしています。

予算全体像

予算の全体としては、上記の通りとなります。

プロジェクト予算は、”見積予算””コンティンジェンシー予備””マネジメント予備”に分解することができます。

予算種類内容
見積予算既知の既知正味の予算
コンティンジェンシー予備既知の未知リスク発生を鑑みた予算
マネジメント予備未知の未知想定外リスク発生を鑑みた予算

 

見積予算

見積予算とは、プロジェクトを完遂するために必要となる予算の見積もり結果です。正味の金額としていくら必要になりそうか?を弾いた額を設定します。”既知”の費用として考えられ、現時点で想定できる金額の全量となります。

気を付けないといけないのが、この金額が独り歩きすることで、後々想定よりも高いのはどういうことだ?という指摘をもらうことです。特にプロジェクト開始前は、少しでも安く見積もり決裁を通そうとしてしまうこともあります。しかし、それをしてしまうと後々自分の首を絞めることとなります。最初からコンティンジェンシー予備・マネジメント予備を含めた金額を予算として取得できるように上にしっかりと説明をすることが大事です。

 

コンティンジェンシー予備

コンティンジェンシー予備とは、”既知の未知”のリスクに対する予備費用です。

”既知の未知”:リスクとして特定したが、発生するかが不明な予備費

ということになります。

コンティンジェンシー予備 =
 Sum(リスクの発生確率 × リスク発生時の金額)

とすることが多い。

発生率が極めて低いと想定されるものは除外して計算する場合も多い。(大規模災害発生時のリスクなど)

 

マネジメント予備

マネジメント予備とは、”未知の未知”のリスクに対する予備費用です。

”未知の未知”:リスクとして特定できていない、いくらかかるか不明な予備費。

ということになります。

マネジメント予備 =
(見積予算 + コンティンジェンシー予備)× ○○%

とすることが多い。%は各企業により異なる。

マネジメント予備については、プロジェクトマネージャの決裁外のものとなるため、企業における決裁超過許容金額とする場合もある。(1,000万円の決裁時に、+10%までは許容される 等)

予算の考え方

それぞれの予算に対し、”ベースライン”・”プロジェクト予算”という考え方があります。

名称内容PM権限
ベースライン見積予算 + コンティンジェンシー予備
プロジェクト予算見積予算 + コンティンジェンシー予備 + マネジメント予備×

ベースライン

ベースラインとは、プロジェクトマネージャが握っているプロジェクト遂行のための予算となります。

基本的にプロジェクトマネージャは、このベースラインを下回るようにプロジェクトを進める事が求められます。

ベースラインを上回る可能性がある場合は、マネジメント予備に突入するため、できるだけ早く上申し、適当な対応を行う必要がある。

プロジェクト予算

プロジェクト予算とは、プロジェクトに許容される最大の予算となります。

ベースラインにマネジメント予備を追加したものとなります。

プロジェクト予算を上回るということは、プロジェクト責任者の権限を越える話となるため、大きな問題となります。そのようなことにならないように事前に十分な確認を行い、発生の兆しが見られた場合は即座に上申することが必要となります。

 

おわりに

本記事では、プロジェクト上の予算である、見積予算・コンティンジェンシー予備・マネジメント予備について説明をしました。予算は企業において重視されるものであるため、常に気を配りながらプロジェクト運営をするように心がけましょう。

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