医用画像診断 読影 誤診発生率について

医療関連

はじめに

放射性画像検査においては、どうしても読影ミスが発生しうるものである。本記事では画像の読影における間違いの発生率について記載を行います。タイトルに”誤診率”と記載しておりますが、ここでは間違いの発生率を誤診率としております。

また、本記事は、医療情報技師のテキストである。”医療情報 第5版 医学・医療編“を参考に記載をしております。筆者は医師ではないため、あくまで見聞情報をベースとしています。ご注意ください。

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読影のステップとステップ毎の誤診率

画像の読影においては、以下3つのステップがあります。それぞれの間違い発生率も併せて記載します。(一説であると参考図書に記載されていますので注意が必要です)

  1. 探査: 30%
  2. 認識: 25%
  3. 判断: 45%

探査

探査においてはさらに以下ステップに分類される。

  1. 読影条件の確認
  2. 正常構造の把握
  3. 異常陰影の発見

読影条件の確認

十分なX線量が用いられているか?ノイズや人工的な異常影(アーチファクト)の出現が無いかを確認することが必要である。(そもそも映ってなければ見えない)

正常構造の把握

本来、正常構造がどのように見え、どのような生体バリエーションがあるかを理解し、見えるもの、見えないものを把握することが必要である。
また、見えすぎもよくなく、胸部単純X線正画像において、肺野の血管影は胸膜手前で見えなくなるため、胸膜まで見える場合は間質の肥厚を考える必要がある。

異常陰影の発見

腫瘍・腫瘍の石灰華、動脈硬化の石灰華、胸水、腹水、心肥大など、どのような疾患でどのような所見が発生しするか?またその発生頻度はどのようになっているか?を理解しておく必要がある。

認識

探査にて異常所見が画像内に見える状態になっていたとして、その画像内に所見があることを認識できる必要がある。存在していたとしても、見つけられないという問題により、間違いが発生する可能性がある。

判断

所見を見出したのち、それが異常か?正常か?、疾患は何かを判断できる必要がある。必要に応じて上位機器での診断を含め判断を行う必要がある。

まとめ

改めて読影のステップとそれぞれの間違い発生率は以下のとおりである。

探査: 30%
認識: 25%
判断: 45%

最も難しいのが、判断のステップであることがわかります。やはり、医療画像診断支援システムとしてAIを作成する際も、画像データのゴールド・スタンダードに乗っ取り、複数の専門医が判断したデータを使うようにする必要があります。

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